"一つ例をあげましょう。”
いままでのロバート・キヨサキの話は少し抽象的でした。
確かに、金持ちと中間層の違いもわかった。では、具体的にどうすればお金持ちといえる状態になれるのでしょうか?
そこで、ロバートは一つ具体的な例をあげます。主語は”I"(私)ですが、これはあくまでも一般例。ロバート・キヨサキの例ではありません。ただ、おおまかに彼はこのような道筋を通って「金持ち」になった、と考えてもよいでしょう。また、おそらく一般的なお金持ちたちも彼と同じような道筋を通ってお金持ちになる、と言ってもよいでしょう。
Let's say I have a cash flow from my asset column of $1,000 a month.
"私は、資産の欄から、ひと月に1000ドルのお金を得ているとしましょう。”
Let's say〜は、仮定の話を始めるときに用いられる表現。この例のように、”〜だったとしましょう。”といったような使われ方をするのが一般的なようです。
さて、”私”は、資産から1000ドルのお金を毎月生み出すと仮定します。為替レートにもよりますが、これはだいたい10万円弱といったところで、普通の人でも収益不動産などを持っていれば、十分達成可能な金額です。実際、ちょっと富裕なサラリーマンや自営業の人などは、これくらいのキャッシュフローを生み出す資産を持っていてもおかしくないでしょう。実際、ロバート・キヨサキ自身もこのような状態からスタートしたようです。
悪くない金額です。しかし、ここで一つ問題があります。
And I have an monthly expense of $2,000.
"そして、私は月々2,000ドルの支出があるとします。”
確かに、資産からの収入は魅力です。しかし、同時に月々2000ドルの支出があるのです。
つまり、これがもしもサラリーマンなど、他に職業がある人間であれば、十二分に生活の足しになるレベル。それでも、何も持たない人間に比べれば随分良い状態だと思うのですが、これでもロバートは“十分ではない”と言います。
つまり、まだ「お金持ち」と呼べる状態ではないのです。
※高収入も、いつかは減ってしまうかもしれません。